2LDKの元!?カレ




編集部のドアを開けたのは、午前十時。

すっかり寝過ごしてしまった私は、西野くんからの電話で飛び起きたのだった。

私は慌ててメイクをして、着替えて。クリーニングから戻ってきていたみちるのカシュクールワンピースをしわにならないようにブランドのショッパーに入れ、それから電車に飛び乗った。

私たち編集者は、定められた業務時間さえクリアすれば、出勤時間は特に定められていない。

内勤のスタッフの出退勤は管理されているが、外に出る機会の多い私たちはほとんどが自己申告なのだ。

だからといって、正確に残業や持ち帰りの仕事を申告していたら労働時間は途方もないものになるので、だいぶ省いてはいるのだけれど。

つまり今日も別に遅刻にはならないのだが、仕事が立て込んでいるのに朝寝坊とはバツが悪い。

「おはようございます」

挨拶をして中に入ると、みちるが私に気づいて手を振ってくれた。

「おはよ、志保子」
「みちる、おはよう」

私はみちるに借りた服を返すと、お礼のランチに誘ってみる。

お礼と言うのは実は建前で、本当は西野くんと付き合い始めた事を伝えたかったのだ。

「もちろん、いくいく」
「それじゃあ、またお昼頃に声かけるから」

みちるとランチの約束をして自分の席へと向かう。

西野くんのデスクには、立ち上がったままのPCとカバンが置き去りにされている。

喫煙所かもしれない。

そんなことを思いながら、早速PCを立ち上げて昨日の作業の続きを始めた。

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