2LDKの元!?カレ
メインを食べ終えて、デザートの杏仁豆腐を目の前にしながら、私はみちるにこう切り出した。
「あのね、西野くんとのことなんだけど……」
うん、とみちるは頷いて私をみつめる。
「――付き合うことになったの。企画会議の日にね、告白されてOKしたんだ」
「そうだったんだ。おめでとう……でいいんだよね?」
「もちろん、どうして?」
「なんていうか、私は志保子がまだ、聡さんのことを好きなんじゃないかって、そんな気がしていたの。でも、そんなのは私の思い過ごしだったみたい。ごめんね、志保子」
そういわれて、胸がズキンと痛んだ。それは、確かな痛みだった。けれど、もう忘れなければならない痛みでもある。
だから私は、みちるに笑顔を向けた。
「そんなことないよ、心配してくれてたんだよねみちるは。この間も聡のことで相談に乗ってもらっていたのに、真っ先に話せなくてごめんね」
私は小さく頭を下げると、みちるはそんなことないよと笑った。
「応援してる」
「ありがとう。でも、編集部の皆にはまだ内緒にしておいてね」
人差し指を立てて唇にそっと添える。
「了解、内緒ね。それは正解かもしれないね、うちは社内恋愛禁止じゃないけど西野は人気があるから。女の嫉妬は面倒だもんね」
みちるが誰を思い浮かべていったのかは分からないけれど、あまりにも感情を込めていうので、思わず苦笑いしてしまった。