2LDKの元!?カレ

メインを食べ終えて、デザートの杏仁豆腐を目の前にしながら、私はみちるにこう切り出した。

「あのね、西野くんとのことなんだけど……」

うん、とみちるは頷いて私をみつめる。

「――付き合うことになったの。企画会議の日にね、告白されてOKしたんだ」
「そうだったんだ。おめでとう……でいいんだよね?」
「もちろん、どうして?」
「なんていうか、私は志保子がまだ、聡さんのことを好きなんじゃないかって、そんな気がしていたの。でも、そんなのは私の思い過ごしだったみたい。ごめんね、志保子」

そういわれて、胸がズキンと痛んだ。それは、確かな痛みだった。けれど、もう忘れなければならない痛みでもある。

だから私は、みちるに笑顔を向けた。

「そんなことないよ、心配してくれてたんだよねみちるは。この間も聡のことで相談に乗ってもらっていたのに、真っ先に話せなくてごめんね」

私は小さく頭を下げると、みちるはそんなことないよと笑った。

「応援してる」
「ありがとう。でも、編集部の皆にはまだ内緒にしておいてね」

人差し指を立てて唇にそっと添える。

「了解、内緒ね。それは正解かもしれないね、うちは社内恋愛禁止じゃないけど西野は人気があるから。女の嫉妬は面倒だもんね」

みちるが誰を思い浮かべていったのかは分からないけれど、あまりにも感情を込めていうので、思わず苦笑いしてしまった。

< 136 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop