2LDKの元!?カレ

私は給茶機で二つお茶を入れると、買ってきたテイクアウトの牛丼をレジ袋から取り出して机の上に置く。

まだ七時前で夕食には少し早目の時間ではあったけれど、昼食がお粥だったこともあってムリなく完食することができた。

西野くんも大盛り生卵付きの牛丼をぺろりと平らげて、お茶を一気に飲み干すと満足そうに手を合わせる。

「ごちそうさまでした」
「ごちそうさま。さ、仕事しようか」
「はい、チーフ」

食べ終えると休む間もなく各々の作業に取り掛かった。

西野くんは隣のデスクで、別の企画の原稿と校正紙を見つめながらマーカーを走らせている。

彼もまた、多忙だ。

私のアシスタントでありながら、編集長をはじめ、他の部員からもちょこちょこと仕事をふられる事がよくある。

それを二つ返事で引き受け、確実に仕上げていくのだからさすがとしか言いようがない。

編集部の時計の針が午後八時を指したころ、私のスマートフォンがメールの着信を告げた。

聡だ。そうわかったのは、聡からの電話やメールの着信音を別のものにしていたから。

そっと指でタップしてメールを開くと私が送ったメールの返事で、話し合いは日曜日で決定しようという内容だった。

画面を見詰めたまま、小さなため息をつく。

「小松チーフ」

いきなり話しかけられてビクリと肩を震わすと、西野くんは不思議そうな表情で私をみた。

「なに?西野くん」
「……あの、オレ、少し休憩してきます」

そういって、タバコとライターを持つと椅子から立ち上がり編集部を出ていった。


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