2LDKの元!?カレ



「志保子さん、おはようございます」

体をゆすられて、重い瞼を持ち上げると目の前に西野くんの顔があった。

「お……はよ。今、何時?」

もう少し眠りたい。そんな思いで尋ねる。

「八時です」

その一言で一気に目が覚めた。

ガバッと上半身を起こすとキョロキョロと室内を見渡して、どこにあるのかわからない時計を探す。

ようやく見つけた時計は、テレビのすぐ横で坦々とその秒針を進めていた。

もうすでに、八時を五分も過ぎている。

スマホのアラームをセットし忘れた自分を恨みつつぼやいた。

「先に起きていたなら、起こしてくれればよかったのに」

「だって、志保子さんよく寝ていたから。それに今からシャワー浴びても、九時前には編集部に着けますから、大丈夫ですよ」

西野くんはさらりと答える。

「……そうじゃなくて」

私は彼の背中に向かって小さく呟いた。

もちろんシャワーはもちろん浴びたい。でもそれだけではなく、着替えもしたかったのだ。

しかし、今日は昨日返事がなかった分の取材依頼の返信確認を、朝一番でするつもりでいたため、今からマンションに戻るのは現実的ではないと諦めることにした。



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