2LDKの元!?カレ
*
「志保子さん、おはようございます」
体をゆすられて、重い瞼を持ち上げると目の前に西野くんの顔があった。
「お……はよ。今、何時?」
もう少し眠りたい。そんな思いで尋ねる。
「八時です」
その一言で一気に目が覚めた。
ガバッと上半身を起こすとキョロキョロと室内を見渡して、どこにあるのかわからない時計を探す。
ようやく見つけた時計は、テレビのすぐ横で坦々とその秒針を進めていた。
もうすでに、八時を五分も過ぎている。
スマホのアラームをセットし忘れた自分を恨みつつぼやいた。
「先に起きていたなら、起こしてくれればよかったのに」
「だって、志保子さんよく寝ていたから。それに今からシャワー浴びても、九時前には編集部に着けますから、大丈夫ですよ」
西野くんはさらりと答える。
「……そうじゃなくて」
私は彼の背中に向かって小さく呟いた。
もちろんシャワーはもちろん浴びたい。でもそれだけではなく、着替えもしたかったのだ。
しかし、今日は昨日返事がなかった分の取材依頼の返信確認を、朝一番でするつもりでいたため、今からマンションに戻るのは現実的ではないと諦めることにした。