2LDKの元!?カレ
私は急いでシャワーを浴びると、ポーチの中のメイク道具で簡単に化粧をし、生乾きの髪をシュシュでまとめる。
それから昨日と同じ服に袖を通すとカバンを持ち上げて、玄関で待っている彼に駆け寄った。
「西野くん、お待たせ」
「じゃあ、行きましょうか」
「うん、行こう」
私たちはアパートを出ると駅までは早足で歩いた。
タイミングよくホームに滑り込んできた電車に飛び乗ると西野くんの言った通り、九時前には編集部に到着することができた。
二人同時の出勤になってしまったのだけれど、これまでもたまたま一緒になることもあったので、余計な詮索をされる事はないだろう。
「おはようございます、小松チーフ。これ、チーフ宛のファックスです」
自分のデスクにカバンを置いてPCを立ち上げるとすぐに、真田さんがやってきた。
「おはよう、真田さん。どうもありがとう」
「いえ、それよりチーフすごく疲れているみたいで、かわいそう」
いいながら西野くんをチラリとみる。
「しかも、髪もお肌ぼろぼろじゃないですか。大丈夫ですか?」
心配そうに私の顔を覗きこむ彼女の目が笑っているように見えたのは、そう思わせる何かが言葉の裏側に存在していたからだ。