2LDKの元!?カレ
「……アハハ、大丈夫じゃないかも。酷い顔だよね」
悲しいけれど、こんな時は一切反論しないことにしている。
それは、二十代後半になって身に着けたスキル。
部下と張り合うのは仕事だけで十分だ。
それに、昨日と同じ服装だと指摘されないだけいい。
「年には敵わないって感じかな」
「ですよね、本当にやばいと思いますよ」
語尾を上げてかわいく同意する真田さんに、西野くんは明らかにムッとした表情を向ける。
それに気づかない彼女は、西野くんにも同意を求めた。
「ねえ、西野くんもそう思うでしょ?」
西野くんは椅子に座ったまま真田さんの方に体を向けると、にっこりとほほ笑んでいう。
「いえ、ぜんぜん」
ああ、もう。西野くんのばか。
頭を抱えたくなるのをこらえて、私は彼女に言葉をかけた。
「ううん、本当にそう。じゃ、それもらうね。どうもありがとう」
受け取るつもりで手を差し出す。
すると真田さんは、持っていたファックス用紙の束をまるで叩きつけるように私のデスクに置いた。