2LDKの元!?カレ

「戻りました」

勢いよくドアを開けると、入り口付近にデスクがある真田さんと目が合ってしまった。

気まずい。

そう思ったのは相手も同じだったようで、彼女はとっさに視線を外した。

まあ、無理もないだろう。

彼女の後ろを通り過ぎるとき、私はいつもと同じように「お疲れ様」と声を掛ける。

だが、返事はなかった。

けれどそれは想定の範囲内だ。

そんなことにいちいち腹を立てるエネルギーがあるのなら、仕事に回したいと思う。

例え、私の余裕ぶった態度が、彼女の気持を逆撫でしたとしてもだ。

もし彼女が西野くんにまでそんな態度をとるというのなら、話は違ってくるのだが。

私は自分のデスクの椅子を引くと、小さなため息をついて腰を下す。

一瞬目を閉じて再び開くと、心の中で「よし」と気合を入れて、仕事モードにチェンジする。

スリープモードのPCにパスワードを入力してロックを解除すると私は作業を再開した。

西野くんが終始ご機嫌な様子の編集長と共に戻ってきたのは、それから数時間後のこと。

確認したいことも相談したいこともあるというのに、到着して早々に会議室へと連れていかれてしまった。


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