2LDKの元!?カレ
編集長には敵わない。
私は彼の背中を見送りながら、解放されるまでにはまだまだ時間がかかりそうだと覚悟する。
いやおうなしに漏れるため息とともに、どっと疲れが噴出した。
私はデスクに突っ伏すと、乾ききった眼を休めるように瞼をそっと下ろす。
このまま眠ってしまいそうだ。
そんな私の肩をたたいたのはみちるだった。
「志保子、どうした?具合が悪いわけじゃないよね」
「ああ、みちる。うん、大丈夫。疲れただけだから、なんでもないよ。ありがとね」
「そう。ならいいんだけど」
体を起こして見上げると、みちるは通勤用のカバンを手に持っている。
「……みちる、帰るの?」
「うん。もう十時だしね。志保子は?」
そういわれて時計を見ると、あと数分で午後十時になるところ。どおりで疲れるわけだ。
「うそ。もうそんな時間かあ。でも、私はまだ帰れないな。西野くんが大崎さんに捕まってるから、置いていくわけにもいかないしね」
「そっか、志保子も大変だね」
「そんなことないけど、今夜もなんだかんだで終電ギリギリになりそうだよ」
みちるはうなだれる私の背中を叩くと、颯爽と編集部を出ていった。