2LDKの元!?カレ

 みちるが帰った後、編集部内に残っていた部員たちも一人、また一人といなくなる。

そのたびにデスク真上の照明が消えていった。

周囲を暗がりに囲まれると、さらなる眠りへと誘(いざな)われる。

「……ダメだ、全然はかどらない」

私は眠気覚ましにコーヒーでも飲もうと考えて、給湯室へと向かう。

外側の壁にある照明のスイッチを入れると中に入り、小さめの電気ポットに水を張ると、コンセントを差し込んだ。

夕飯を食べ損ねてお腹もすいていた私は、冷蔵庫に入れておいた十二個入りのチョコレートを一粒取り出して口に放り込む。

「……おいしい」

甘い誘惑に負けた私は、もう一度冷蔵庫を開けた。

いつもよりおいしく感じるのは、疲れた体と脳が糖分を欲しているからだろう。

食べ過ぎはよくないと知りつつも止められず、結局全部平らげてしまったのだけれど。

それからお湯が沸くまでの間、私は何をするわけでもなく、壁にもたれたまま、ただぼんやりとしていた。

やがて電気ポットの中の水が徐々に沸騰する音が聞こえてきて、私は取り出したマグカップにインスタントコーヒーを多めに入れた。

「――志保子さん」

ふいに名前を呼ばれて顔を上げると、そこには西野くんが立っていた。


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