2LDKの元!?カレ
「西野くん」
「大崎さんに言われてコーヒーを入れに来たんですけど」
西野くんは私に歩み寄ると、フワリと抱き寄せる。
「よかった。志保子さん、もう帰ってしまったかと思って」
「まさか、まだまだ終わりそうにないもの」
「じゃあ、オレが終わるまでは待っていてください。今日も一緒に帰りません?」
言いながら西野くんは私の首元に顔を埋めてくる。少しくすぐったくて身を捩った。
「ちょっとダメ、くすぐったいって。いいよ、待ってるから一緒に帰ろう。でも私ね、今日は自分のマンションに帰るつもりなの」
「え、そうなんですか」
分かりやすいくらいにトーンダウンした声。でも、今日はさすがに家に帰りたい理由があった。
「だってほら、三日同じ服っていうのはまずいでしょ?」
服だけではない、下着も交換していないのだ。
貫徹することが多くて、二日同じ服というのはまだ我慢ができる。しかし、それ以上となると許容できそうもない。
「……確かにそうですよね。じゃあ、明日」
「うん、いいよ。明日ね」
「約束ですよ」
私は回された腕にそっと手を添えると、ゆっくりと頷いた。