2LDKの元!?カレ



マンションのドアを開けて中に入ると、酷く懐かしく感じた。

一日や二日、帰宅しない日はざらにある。それなのに今日に限っておかしな気持ちを抱いてしまった。

認めたくはないけれど、私の体が認識している安息の場所はまだここなのだということなのかもしれない。

明かりの消えたリビング。

聡の部屋も電気が消えている。もう、寝てしまったのだろう。

物音をたてないように自分の部屋に入ると、替えの下着とパジャマをもってバスルームへと向かった。

本当はバスタブにお湯を張って、ゆっくりと浸かりたかったのだけど。後片付けをするのが億劫で、仕方なくシャワーだけ浴びることにした。

バスタオルを棚から取り出して、浴室に入る。

ほぼ取れてしまったメイクは、洗顔用のオイルで落としてから、洗顔料を泡立てて念入りに洗った。

髪にもトリートメントをたっぷりつけて、少しだけ長めに放置する。

気にしないはずだった真田さんの言葉は意外にも鋭くて、私の心の片隅に小さな傷をつけていったようだ。

言われてみれば確かに、最近の私は自分磨きに手を抜きすぎていたかもしれない。

これで、女性誌の編集をしているというのはまるで詐欺だ。

若さを保ちたいとは思わないが、常に綺麗でいなければと思う。

この決意がどれくらい続くかは分からないけれど。

< 157 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop