2LDKの元!?カレ
翌朝。
私は玄関のドアが閉まる音で目を覚ました。
ハッとしてベッドサイドに置いておいたスマートフォンで時間を確かめる。
「……ん、まだ六時半じゃない」
目覚めてしまったことを少しだけ恨めしく思いながら、もう一度目を閉じた。
しかし、もしこのまま二度寝してしまったら、おそらく起きられないだろうという考えがよぎる。
せっかくなので、このまま起きて出勤し、昨日の満月庵で朝食を食べるのはどうだろうか。
朝のメニューも客層も見ておきたいし、取材の話もできたらいい。
先日行ったばかりだか、思いついた時に行動しないと次に予定を立てようと思ってもなかなか難しくなる。
考えだしたらいてもたってもいられなくなって、私は勢いよくベッドから飛び起きた。
顔を洗って身支度を整えると、小さめの旅行用カバンをクローゼットから取り出す。
今日は西野くんのアパートへ泊る約束をしている。
連泊してもいいようにと二日分の着替えと化粧品類をカバンに詰め込んだ。
できれば靴やカバンや、身の回りのものを持っていきたいのだけれど、あくまでも泊るための荷物だ。
思えば、付き合い始めたばかりだというのに、ほぼ毎日彼の家に行っている。
そうすることが決して悪いわけはないのだが、聡との生活がまだ中途半端に続いているうちは、西野くんと半同棲のような状態にはなりたくなかった。