2LDKの元!?カレ
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「お待ちしておりました。西野様、小松様」
ル・シエルに到着した私たちを、コミヤマさんはにこやかに出迎えてくれた。
「こんばんは、小宮山さん」
「そうぞ、こちらへ。ご案内致します」
「どうも」
西野くんは慣れた様子でコミヤマさんに続いて中に入っていく。
「どうしました、志保子さん。行きますよ」
入り口で立ち尽くす私に、西野くんは振り返って声を掛ける。
「西野くん、私本当に付いてきてよかったの?」
「何をいまさら。鏑木さんにはちゃんと許可をもらいましたよ。何度も言わせないでください」
正直私は、鏑木圭に会うのが怖い。
うるさい女と言われたあの夜から、ル・シエルには一度も足を運んでいない。
もちろん、メールでは取材を受けていただいたお礼と、正式な取材依頼は私の名前で送らせてもらった。
しかしどちらも事務的なやり取りのみで終了し、後のすべては西野くんに任せることにしている。
そもそも、鏑木圭は相手が西野くんだから取材許可をだしたのだから、最初から私の出番はないのだ。
「……やっぱり帰ろうかな。ここの取材は西野くんに一任してる訳だし。それに、私がいない方がうまく進むんじゃない?」
私が煮え切らない態度を示すと、西野くんは分かりましたと頷く。
「じゃあ、志保子さんだけ先に帰ります?今日は撮影に使う料理の試作品を作ってもらう予定だったんですけどね」
「え、そうなの?」
「ほら気になる」
してやったり、といった表情で私に笑顔を向けた。
「だったら一緒に行きましょう。志保子さんに意見をもらえたら、すごく助かるし」
西野くんはそういって私の手を握ると、少し強引に引き寄せた。