2LDKの元!?カレ
「もちろん、期待を裏切るようなことはしないさ」
鏑木は自信たっぷりに言った。
その時、コックが二人料理をのせた皿を持って部屋に入ってきた。
西野くんが撮影用に依頼した、前菜とメイン、それとデザートの三品。
それがテーブルに載せられるとあまりの美しさに思わず息を飲む。
「……素敵」
西野くんがどんなイメージを伝えたのかは分からないけれど、彼の言葉通り期待を裏切らないどころか、それを上回る仕上がりだ。
上質で落ち着いた存在感があり、それでいてとても繊細で女性的。
それらは店で出されている料理とは明らかに違った。
おそらく、女性誌に掲載されることをきちんと意識しているのだろう。
頑なに自分のスタイルを押し通すのではなく、求めに応じて柔軟な対応ができるのは真の意味でのプロだ。
「どうですか、志保子さん」
「どうって……うまく言葉にできないくらい、いい」
「そりゃ、どうも」
鏑木は、私のお粗末なコメントにクツクツと喉の奥を鳴らして笑った。