2LDKの元!?カレ
「どうしたんですか、志保子さん」
「ううん、なんでもない。西野くん、カメラ持ってきたよね」
今回の料理は試作品といっていたけれど、これでほぼ決まりだろう。
西野くんも変更を依頼するつもりもなさそうだ。
ワインが継がれた時点で、許可をもらって写真を撮る。
その後、並んだ料理のメモを取りながらその味を堪能した。
前菜は冬野菜のゼリー寄せ。色鮮やかな野菜が氷の中に閉じ込められているよう。味はあっさりとしていて、野菜の甘みが引き立っている。
メインはローストビーフ。真っ赤なソースと金粉がかかった柔らかそうな肉は目にも鮮やかで、思わずゴクリと喉を鳴らした。
もちろん赤ワインとの相性も最高で、仕事中にもかかわらず一気にグラスを開けてしまった。
最後のデザートは、雪の結晶に見立てた飴細工と淡雪の様な滑らかなクリームがかけられたドーム型のスポンジケーキ。中にはイチゴとブルーベリーのソースがたっぷりと詰まっている。
「おいしい。これならいくつで食べられる」
クリームの甘さとソースの酸味が絶妙に合わさって後を引く美味しさだ。
なのに、やはり西野くんの皿は手つかずのまま。