2LDKの元!?カレ
「食べないの?」
「はい、出来れば志保子さんが食べて感想を聞かせてください」
西野くんは言いながらケーキの皿を私に差し出す。
「それはいいけど。でもね、今後のことを考えると克服しないで困るのは西野くんだよ?」
「そうですね。このままラルゴにいれば困るでしょうね」
このままラルゴにいれば。
その言葉は決して投げやりなものではなく、未来を見据えているように聞こえた。
だから少しも嫌な感じを受けなかった。
西野くんはモード誌の編集者を目指しているのだ。
私はそれ以上何も言わずに西野くんから皿を受け取った。
「今回だけだからね」
「ありがとうございます。オレは家に帰ったら食後のデザートをいただくつもりですから」
「家に帰ったら?」
「ええ、帰ったらすぐにでも」
私が首を捻ると、西野くんは意味ありげに笑った。