2LDKの元!?カレ
今朝、素直に伝えられなかったけれど、聡が私の誕生日のケーキを用意してくれたことは、本当にうれしかった。
聡の優しさに、私の事をまだ好きでいるのかもって自惚れてしまう。
もし、聡が『ヨリを戻さないか』そういってくれたなら、また、恋人同士に戻る――という選択しも無いわけではないのだ。
マンションに到着すると、エレベーターで五階まで上がり、いつもより軽く感じる玄関のドアをゆっくりと開けた。
「ただいま」
そういいながら何気なく視線を落とすと、玄関の隅っこに見慣れない黒のパンプスが揃えて置いてあった。
「……なにこれ」
そう呟いたと同時に、バスルームの扉が開く音がして、私は弾かれたように顔を上げた。