2LDKの元!?カレ

ワンルームのアパートは、二人で住むには十分とは言えない広さで、でもだからこそ常にお互いを感じられる。寂しさはなかった。

西野くんが言った通り、できるだけ仕事は持ち込まないようにして二人で居る時間を楽しむようにした。

以前とはまるで違う生活。そこには変わろうとする自分なりの努力があった。

「西野くん、これから湘南まで行ってくるから、直帰するね。大崎さんが戻ったらそう言っておいて」

これから私は以前取材したカフェに、原稿の確認をしてもらいに行く予定だ。

「はい、わかりました。いってらっしゃい」

西野くんは頷いてから小声で「先に帰ってますね」と付け加えた。

編集部を出ると、地下鉄に乗り途中で乗り換える。

ちょうど帰宅ラッシュに巻き込まれてしまって、到着するまでの間ずっと思いカバンを抱えて電車に揺られていた。

「もう、限界。お腹もすいたし」

独り言ちてため息をつく。

考えてみれば今日は昼ご飯を食べていない。今日に限らずこのところ昼抜きのことが多いのだ。

家で仕事が出来ない分、昼食を食べる時間を削って作業している。

そうなってしまったのは、新たな仕事が舞い込んだからなのだけれど。


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