2LDKの元!?カレ
それは間違いなく、カメラマンからのもの。
取材で訪れた中東でトラブルに遭遇し、帰国の目途が立たないとの内容であった。
撮影日の延期、もしくは別のカメラマンに依頼して欲しいとの用件のみが書き綴られている。
「……そんな、それじゃ今日の撮影にはこられないってこと」
どうしてもっと早く気が付かなかったのだろう。最後にメールを確認したのは金曜の夜。
それから月曜の朝までは西野くんとの約束で仕事のメール確認も最小限にとどめていた。
だから、気付けなかった。もし気が付いていたら、土日で代役を探せたかもしれない。
「……ううん、そうじゃない。私のミスだ」
「志保子さん、どうしたんですか?」
「大変なことになったよ」
カメラマンが中東へ向かうことずっと前から決まってたことで、私も承知していた。
帰国予定日は確か昨日だったはず。
それを知りながらスケジュール調整をしたのは私だ。こうなることも予測できたはずなのに。
これは、完全に私のミスだ。全身に冷たい汗が噴き出す。
どうしたらいい。
延期の二文字が頭を過るが、予算、スケジュール的に難しい。
となるとやはり、代役を探さなければならない。
しかし、私自身が任せてもいいと思えるようなプロのカメラマンがすぐに捕まるとも思えない。
けれど、今となっては背に腹は代えられない。
「ごめん西野くん大至急三時間後に撮影に入れるカメラマンを探して欲しいの」
「今からなんてムリだと思いますけど」
「分かってる。取りあえず編集部に戻るよ。まずは編集長に報告しないと」
私はそういうや否や走り出した。