2LDKの元!?カレ
自分から別れを告げた相手に、新しい恋人がいた。
その事実にこんなにも動揺している自分が、どうしようもなく滑稽に思えて。
自嘲気味に笑った時、目の前のドアが勢いよく開いた。
「うわ、小松チーフ。なんでこんなところに突っ立ってるんですか?」
タバコとライターを握りしめて、西野くんは、驚いた様に私を見つめる。
「西野くんこそ、まだ残っていたの?」
今の心情を悟られないように、不自然なくらい明るく声を掛けた。
「ええ。オレ鏑木対策に煮詰まってしまって……気付いたらみんな退社してしまいました」
西野くんは、ふう、と小さく息をつくと、「今から喫煙所まで行ってきます」そういって、私の横をすり抜けると廊下の薄闇に消えていった。