2LDKの元!?カレ
*
――私は、夢を見ていた。
これは、初めて聡と言葉を交わした日。
懐かしい学内の学習室。いつもと同じ席に私は座っていた。
『あの、すみません。小松、志保子さん?』
いきなり声をかけられて、しかも私の名前まで知っているその人を、正直怪しい人だと思った。
『……は、はい』
俯いたまま小さく返事を返すと、その人は私の目の前にUSBを差し出した。
『ああ、よかった。これ、君の』
それは私が使っているものと同じだった。
『昨日ここで取り違えたんだ。だから、君がオレのを持ってるはず。悪いと思ったけど、中を見せてもらった』
『うそ。すみませんでした』
私は自分のカバンから、取り違えたUSBを取り出した。
『これ。お返しします』
その時かすかに指先が触れて。トクン、と鼓動が揺れる。
『ありがとう。オレ、高比良聡。法学部の四回生』
柔らかな笑みを浮かべる彼は、それほど悪い人には思えなくて。
『私は、小松志保子です』
『うん、知ってる』
『あ、そうでした。私は文学部です。一回生』
思わず自己紹介していた。
『隣、すわってもいい』
そう聞かれて頷くと、彼は静かに椅子を引いて腰を下ろした。