2LDKの元!?カレ
長身で、手足はスラリと長いのだが、コックコートの袖から覗く二の腕にはしっかりと筋肉が付いている。
まるでモデルのように小さな顔は、目鼻立ちがハッキリとした美形。
スッキリとまとめられた長めの黒髪が、より彼のエキゾチックな魅力を引き立てているように感じた。
「失礼いたします。ごあいさつに参りました、料理長の鏑木と申します」
丁寧にお辞儀をした後に、張りのある声で謝辞を述べる。
「本日はル・シエルへお越しいただき、ありがとうございました」
思わず魅入ってしまうほど容姿端麗。料理の腕前も申し分ない。加えて人気店のオーナーでもある鏑木圭は、女性誌の紙面を飾るに相応しい人物であることに間違いはないと思った。
私は膝にかけたナプキンの間に忍ばせておいた名刺に手を伸ばして、取材交渉に持ち込むタイミングを計る。
「……ごちそうさまでした。どれもとても美味しくて、贅沢な時間を過ごすことが出来ました」
「さようですか。ご満足いただけたなら、幸いです」
「ですから私は、ル・シエルと鏑木さんの魅力を沢山の方に伝えたいと思いまして」
いいながら立ち上がると、私は名刺を差し出しながら頭を下げた。