2LDKの元!?カレ
「ラルゴという女性誌の編集をしております、小松と申します。本日は、無理を承知でお願いに参りました」
私が今回の企画の趣旨を端的に説明すると、鏑木圭は大きなため息をつく。
「お断りいたします」
「そこをなんとか。悪いようにはしませんから、考え直しては頂けないでしょうか?」
苦労してやっと鏑木圭に会えて、最高の企画になると確信したのだ。
だから、是が非でも彼に取材の承諾を得て、何としてでも企画を通すつもりだったのだが。
「femme ennuyant」
「……え?」
「Je suis un timide」
フランス語であることは分かったが、何を言われたかは分からなかった。
私が言葉を返せないでいると、西野くんがおもむろに立ち上がって口を開く。
「Pensez-vous que fait-il encore interrogé si la personne qui pardonne l'esprit?」
西野くんの流暢なフランス語に答えるように、鏑木圭はゆっくりと頷いて。
「Puis-je croire que si vous et」
それから鏑木圭はポケットから取り出した名刺にボールペンでサラリと何かを書き加えて西野くんに渡した。
「……どうも」
「それでは、最後までおくつろぎくださいませ」
私は二人の間にどんなやり取りがあったのかも分からないまま、部屋を出ていく鏑木圭の大きな背中を見つめることしか出来なかった。