2LDKの元!?カレ

途端に穏やかだった会議室の空気がガラリと変わったように感じた。

「企画としては面白い。合格よ。だけど、鏑木シェフのインタビューが取れる可能性はあるの?私の認識では、ゼロに近いと思うんだけど。どうなの?小松」
「……はい。それについては現在、交渉しているところです」
「交渉中、ね」

大崎さんはそう呟いて手にしていた資料をテーブルの上にパサリと置くと、大きなため息をつく。

「ダメね。現時点で回答が得られないなら、この企画に関してはNGよ」
「じゃあ、もし鏑木シェフから取材許可をもらえていたら採用されたってことですか?」
「ええ、そうね。でも今回は残念だけど……」

その時、会議室のドアが大きな音を立てて開いた。

「すみません、遅くなりました」

大崎さんの言葉を遮って、まるで映画のワンシーのように現れた西野くんは、中にいた全員から注目を浴びてしまい恥ずかしそうに頭を掻く。

「西野くん。遅いよ、もう」
「すみません」

ぺこりと頭を下げる彼の顔は、鼻の頭が日に焼けている。服装も、いつもと違ってかなりラフな格好だ。

どこで何をしていたのか、聞きたいことはたくさんあった。

けれど、まず確認しなければならない大事なことがある。


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