オクターブ ~縮まるキョリ~
「え……?」
永山くんの言葉に、私は耳を疑った。
春瀬くんと私が付き合ってる?
そんな事実は、残念ながら全くないのだけど。
どうして、そんな風に思ったのだろう?
「ううん、付き合ってないけど……」
「本当に?」
「うん…でも、なんで?」
カーテンの隙間から春瀬くんと私を見て、永山くんはどうしてそう思ったのだろう?
私は単に眠っていただけだし、その後の会話だって、ただのクラスメイトとしての会話だけだったと思うけど…。
永山くんがそう思う理由が全く思い当たらなくて、私は首をかしげるしかできなかった。
「…いや、そんな風に見えたから」
「私、眠ってただけなんだけどな…それとも、春瀬くんが何か言ってたの?」
私がそう一つの可能性について尋ねると、永山くんはぐっと口をつぐんで俯いてしまった。