オクターブ ~縮まるキョリ~
その永山くんの反応を見て、私はドキリとした。
きっと、彼のこの反応は、図星だったからだろう。
やっぱり春瀬くんは、私が寝ている間に、何かを言っていたらしい。
「永山くん、春瀬くんが何て言っていたのか教えてくれない?」
「…………」
永山くんは黙ったままだ。
そうすると、余計に春瀬くんが何を言っていたのか気になる。
「ねぇ、永山く…」
ガチャリ。
突然ドアが開き、誰かが入ってきた。
「あらぁ」
入ってきたのは養護の先生だった。
「どうかしたの?具合悪い?」
先生は言いながら、持っていたファイルの束をどさりと机に置く。
私は口を開いたまま、「何て間の悪い先生なんだろう」と心の中だけで呟いた。