オクターブ ~縮まるキョリ~
「うん、由美ちゃんも行くし、行く人多いみたいだよ。」
「由美ちゃんて誰。」
「えっ…あの席の、須藤由美ちゃんだよ。」
「ああ、須藤か。」
永山くんは「ああ」と言いながらも、あまり興味は無さそうだった。
由美ちゃんと永山くんは、一年生のときも同じクラスだったはずなのに…。
永山くんはやっぱり、人の名前とか、誰が誰とかどうでもいい人なんだろうか。
「じゃ、またな」
「あ、うん。バイトがんばってね」
おう、と答えながら、永山くんはさっさと歩いて行ってしまう。
わざわざ声かけてくれて優しかったり、でもやっぱり人に興味が無さそうで。
不思議な人だなぁと思いながら、私は永山くんの背中を見送った。