オクターブ ~縮まるキョリ~
「な、何よ……」
「容赦はしない」と言われた女子たちは、3人とも明らかにうろたえていた。
事の展開に驚愕し、永山くんの冷めた表情に怯えているようでもあった。
自分たちが痛い目に遭うんじゃないか、と。
「……行けよ」
永山くんは静かに、そしてハッキリと言った。
その言葉を受けた女子たちは、お互いに顔を見合わせる。
彼の言葉は、解放を意味していた。
彼女たちはほぼ同時にゲタを鳴らして、そこから小走りで去って行った。
私の横を通りすぎるときは、地面ばかりを見つめていた。
「…ちょっと、何よあれ」
「意味わかんない!」
背後からそう話しているのが聞こえた。
思い出したかのように、セミがまたジワジワと鳴き始める。