Wonderful DaysⅠ
「え・・今から?」
腕時計を見れば夜の9時半。
不満を口にすれば
「あぁ。もうアイツはラウンジで待っている」
急げよ?と有無を言わさずに通話終了───
───嘘だろ・・・
今からって・・・マリアもいるのに。
取り敢えず、大王様からの命令は絶対だから・・・
「マリア」
隣を歩いていた筈のマリアは、何故か少し後ろを歩いていて
「何?」
俺が名前を呼ぶと、小走りで近付いて来る。
「これから仕事になってしまってね。俺は此処からSPの車に乗って行くから、マリアは木田に家まで送ってもらいなさい」
「え?今からお仕事なの!?」
マリアが驚くのも無理はない。
普段、こんな時間に呼び出される事なんて無かったから。
「緊急でね・・・」
本当は行きたくないんだけど。