Wonderful DaysⅠ
ふと部屋の時計を見れば、そろそろ待ち合わせ場所に向かわないと間に合わなくなる時間になっていて。
あの人を待たせるわけにはいかないから、話を終わらせて歩き始めれば
「え、ちょっと魁君? お兄様の言葉を、信じてくれないの!?」
嘘でしょ!?と、信じられないような目で俺を見てくる慧。
うんざりしながらも、一度足を止めて振り返る。
「もし……」
「え?」
「もし本当にマークさんに殺されかけたんだとしたら、それはお前達が余程のことを仕出かしてあの人を本気で怒らせたんだろ」
「殺されかけた」なんて言い方は大袈裟すぎるが、少し怖い思いをさせられたのだとすれば納得できる。
「うっ……」
言葉に詰まる慧の様子から、図星なのだろう。
一体、何をして彼をそこまで怒らせたのかは知らないが
「俺はそんなことしねぇから、心配ない」
再び歩き出した俺を止める声は、もう無かった。