Wonderful DaysⅠ
「夢……?」
「あぁ。その夢の中で、大切な誰かさんと約束したから元気にならなきゃいけない…と、ここ数日でカウンセラーも驚くほどに回復しているよ」
長い溜め息を吐いて、ソファーの背もたれに背中を預けた彼。
マリアが回復しているというのに、浮かない顔をしている理由。
「───大切な人、か……」
それは、マークさんの口からポロリと零れ落ちた。
「……………………」
どうやら、俺の事を “ 大切な人 ” と言ったのが気に入らないらしい。
「あの子の中では俺やアルよりも、お前という存在の方が大きいようだ」
自嘲気味に笑うと
「本来ならば、俺との約束を破った時点で婚約破棄にするところだが……何度聞いても、マリアは夢を見たと言い張る」
「……………………」
「マリア本人がお前と会っていないと言うのなら、婚約を破棄にできないじゃないか」
面白くなさそうに俺を見る。