Wonderful DaysⅠ
「だから、今回マリアに会ったことは許してやる」
「……ありがとうございます」
その言葉に、内心ホッとした。
そんな俺に「次は無いからな」と、釘を刺すのも忘れないマークさんは
「魁」
「はい」
「あの子の笑顔を、取り戻してくれてありがとう」
見たこともないような、柔らかい表情で微笑んだ。
「………………っ、」
これが、この人の本当の笑顔なのか。
それは、どこか彼女に似ていて。
やっぱり、血の繋がった兄妹なのだと改めて思った。
今までとは全く違う空気を纏ったマークさんに、動揺して固まる俺。
それを気にすることなく、ティーカップに手を伸ばした彼は
「これからは、定期的にマリアの様子を報告する。それならば、高校を卒業するまで会わなくても我慢できるだろう?」
いつものような含みのある笑みを見せて、ゆっくりとした動作で紅茶を飲んだ。