Wonderful DaysⅠ
脱いだコートをソファーに放り投げた後、ベッドに寝転ぶ。
「はぁー……」
無意識に息を吐き出すと、体からゆっくりと力が抜けていった。
目を瞑って、先ほどまでのマークさんとの会話を思い返す。
「でも、なんでマリアの滞在先が旅館だったんですか?」
そう。
彼女の体調や精神状態を考えれば、もっと設備の整った大きな病院かホテルだと思っていた。
だからマリアが日本にいると聞いた時、有名な病院やホテルを中心に探し回っていたのに。
彼女の滞在先は、まさかの山奥の旅館。
一番疑問に感じていた事を尋ねてみれば
「あの子は、日本に帰りたいと言ったんだよ」
「……………………」
「病室にいるよりも、日本の風情が感じられる旅館の方がいいだろう?」
「そうですね……。でも、まさか結城グループの旅館を使うなんて思いませんでした」