Wonderful DaysⅠ
あの時は、ただ単に成長したマリアに気づくはずがないと言われたような気がして言い返してしまったが。
あの人が言った言葉には、別の意味が込められていたのかもしれない。
そう。例えば、もっと単純な……
「……………………」
一つの考えが、頭に浮かぶ。
もし、そうだったとしたら。
この人混みの中で、もしかしたらすれ違っていたかもしれない。
「くそっ!」
何で、もっと早く気づかなかったんだ。
『賭けてもいい』
勝算がなければ賭けをしようとしないマークさんが、あれほど自信満々に言い切っていたのに。
だとしたら、もうマリアは目的地に着いてしまっているかもしれない。
落胆の溜め息を吐いて、拳を握り締めたときだった。
「神威の総長様が、こんな所でなにやってんだよ?」
背後から声を掛けられて、ゆっくりと振り向けば
「……白石」
白皇の総長、白石が立っていた。