Wonderful DaysⅠ



閑静な住宅街に、バイクのエンジン音だけが鳴り響く。

この道は所々に街路灯はあるものの薄暗く、夜になれば人通りが極端に少なくなる。

目的の場所は、この先で。

暗闇に紛れるように進んで行けば、鬱蒼とした山が見えてきた。

道の端にバイクを止めて、その先に続く長い階段を上っていく。



今俺がいるのは、町が一望できる小高い丘の上の公園。

公園といっても遊具はなにもなく、落下防止のフェンスの手前に設置されたベンチが等間隔で三つ並んでいるだけだ。

普段からほとんど人が来ない此処は、花火大会がある時だけ見物客で賑わう。

今日も、いつもと変わらない人気のない公園。

そう思い込んでいた俺は、すぐ近くに来るまで人の気配に気づかなかった。


「……………………」


僅かな街灯の光を頼りに、ゆっくりと歩いていたその先にあったのは三つのベンチ。

その右端のベンチの背に凭れ掛かるように座っていたのは、シルエットの小ささから女だろうか。





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