Wonderful DaysⅠ
「私…ですか……?」
数秒遅れて聞こえてきた声。
「他に誰がいる」
それに返した声音は、予想以上に緊張して硬くなった。
「そんな所で寝ていたら、ヤられるぞ」
「はい、すみません……」
返事を聞きながらマリアの声を思い出してみるが、幼さの消えている声は記憶に残るものとは一致しない。
これはもう、思い切って名前を聞いてみるしかないのか……
そう考えて口を開きかけた時、隣で動く気配がして。
強い視線を感じて振り向けば
「……………………」
こっちを見ていた女と目が合う。
その瞬間、出かかっていた声は喉の奥に引っ込んだ。
何故ならば。
俺を見ているその瞳の色が、想像していたものと違っていたから。