Wonderful DaysⅠ


「──白石……」


「動くんじゃねぇよ? もし動いたらこの女がどうなっても知らねぇぞ」


顔を顰めた葵に、ニヤリと勝ち誇ったように口角を上げる白石。

相変わらず汚ねぇ手を使ってでも勝とうとするやり方に、自然と眉間に力が入る。


「白石、その子は魁の女じゃねぇ。一般人を巻き込むなよ」


「その手にはのらねぇぞ」


なぜか俺の女だと勘違いしている白石に、葵が違うと言っても信じようともしない。

俺が、早くこの場を離れていれば……

俺たちの争いに巻き込まれた女を、どうやって白石から引き離せばいいか思案していれば


「…………っ!?」


白石を背負ったまま回転して、するりとその腕の中から抜け出た女。

その動きに、俺も葵も動くことができなかった。


「何だ、この女っ!」


座り込んで呆然としていた白石だったが、我に返ったと思ったら逆切れして女に殴りかかろうとする。


「白石、やめろっ!!」




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