Wonderful DaysⅠ
残りの一人に踵落としを決めながら、あれはどう見ても護身術じゃないだろう!と心の中で突っ込んだ。
一切無駄のない、実践的な動き。
油断していたら、俺でも防げなかったかもしれない。
葵と女の会話を聞きながら、辺りを見回して起き上がってくる奴がいないことを確認する。
いつまでも此処にいたら、また面倒なことになりそうな気がして
「行くぞ」
取り敢えず離れようと歩き出せば
「はいはい。君も行こう?」
「はい……え?」
葵に声を掛けられて、戸惑う様子を見せる女だったが
「ここに居たら、奴らがいつ目を覚ますかわからないからね」
付け加えられた言葉に納得したのか、自分の荷物を慌てて取りに戻ると後からついてきた。