Wonderful DaysⅠ
「……………………」
こいつが女の心配をするなんて珍しい……
そう思いながら、二人の様子を見ていれば
「───心配なさそうだぞ」
「……みたいだね」
仲良さそうに話をしていて。
一度こっちに振り向いた女だったが、日本地図を広げて男に何か説明をしていた。
「す、すみませんっ! 遅くなりました」
「あのホストは、君の知り合いだったの?」
「あ、はい。兄からも聞いていたみたいで……」
数分後に戻って来た女は、やはりホストと知り合いだったらしく。
「そっか。無事に辿り着いてよかったね」
「本当にありがとうございました。お二人がいなかったら、此処に辿り着けなかったです」
バイクから荷物を手渡した葵に、何度も頭を下げて礼を言う。
それを耳で聞きながら、もう俺たちは用済みだろうとバイクのキーに手を伸ばそうとした時だった。
今まで女と話をしていたホストが近づいてきて
「───マリア」
その後ろ姿に声を掛けた。