Wonderful DaysⅠ
少しの沈黙が落ちて
「───マー……」
『……ならば』
マークさん?と、掛けようとした俺の声を遮った彼は
『マリアが気づかない限り、自分から婚約者だとはバラすなよ』
「……っ」
新たな条件を出してきた。
───予感的中。
最初から、全てがうまくいくとは思っていなかったが……
「……………………」
マリアにしたら、俺は今日会ったばかりの知らない男で。
婚約者だと名乗れないのならば、そう頻繁に会うことはできない。
『どうした』
「…………いえ」
『この条件が飲めないなら……』
それでも。
彼女は今、日本にいて。
自分から近付けば、手の届くところにいるのだから。
「わかりました」
そう考えれば、婚約者だと名乗れないくらい些細なことだと思えてしまう。