Wonderful DaysⅠ
「言いません」
きっぱりと彼に伝えれば
『マリアと会うことは許してやると言っているのに、あまり嬉しくなさそうだな』
俺の声が沈んでいたのか、電話の向こう側からは揶揄うような声音が届く。
───嬉しくなさそうだって?
まさか。
「……嬉しくてたまらないですよ」
それは本心。
マークさんに言葉を返しながら、空を見上げる。
そこには、今日も綺麗な月が浮かんでいて。
月を見る度に思い出すのは、真っ直ぐに見上げてくる光を宿したエメラルドグリーン。
手の届かない遠い異国にいた彼女が、いつでも会いに行ける距離にいる。
その事実が、嬉しいという気持ちに変わりはない。