小悪魔な彼
 
少しだけざわつく職員室の中、三浦先生から問題の説明を受ける。

やっぱりどの先生よりもわかりやすくて、すぐにあたしの頭の中に入っていた。


「あ、そういうことか!わかりました!」
「ここのひねりに気づけば、あとは簡単ってこと」
「それに気づくのが難しいんですよねぇ」


そしてあっという間に、チェックしておいた5つの問題は解き終わってしまった。


「ありがとうございます!
 おかげさまで、このあともはかどりそうです」

「それはよかった」

「あの……また詰まったら、聞きに来ていいですか?」

「当たり前」


優しい笑顔で返してくれる三浦先生。

その笑顔をもらうだけで、何時間でも数学は頑張れる。
 
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