The side of Paradise ”最後に奪う者”
まだ、結構あるなあ。
綺樹はマーカーで消されていない図書名を目で追った。
手に取ると、興味が引かれて、該当部分をつい読んでしまうために、中々進まない。
次の書籍を探して、背表紙を目で追っているときだった。
ぱちんと唐突に書庫の明かりが消えた。
ドアの閉まる音に続いて鍵が閉まる音がした。
綺樹の背中が固くなった。
やばいか?
人の動く足音がする。
携帯。
スカートを探って、バッグと共に研究室に置いてきたのを思い出した。
武器になるといえば持っているボールペンだった。
窓から入る薄明かりを元に、人の動きを探る。
近づけばわかるはず。
飛び降りるのには、窓は小さすぎて無理だから、逃げるとすれば一箇所のドアしかない。
窓から叫んだほうが出て行くか。
悪いが、私は慣れている。
さあ動け。