**吸血鬼と暴走族**[完]


昨日………


………早めに言った方が良いか?


でも、狼夜はきっと混乱するしな……


蒼・藍「ねぇ、冷音。」


冷「ん?」


蒼と藍は苦しそうで、でも、光に満ちた目をしていた


蒼「俺と藍はね、冷音の悲しそうな姿見たくないよ。」


藍「冷音……、狼夜の姿見る度に悲しそうで苦しそうな顔してる。」


蒼……


藍……


俺の事なのに、そんな顔しないで……


だって俺は………


蒼と藍の思ってる奴には程遠いんだから……


俺は不可抗力に人間を襲って生き血を喰らう化け物なんだよ……?


どう願ったって人間には近づけないし、人間にはなれない


だから俺は………


冷「……ありがと。蒼、藍。


でも、大丈夫だよ?俺は苦しくも悲しくもない。


だって、俺にはお前たちがいる。


金龍がいる。それだけで俺の心は救われる。


大丈夫だから。だから、心配なんてするな。」


……そして、月夜がいる


みんなには申し訳ないけど


俺、私には月夜と狼夜がいてくれたら良い……


私にまた、人を愛す心を教えて、愛してくれた月夜


私にまた、人間と触れ合い、笑い合う喜びを教えてくれた狼夜


どっちも、私の大切な人


2人がいないと、私は私ではなくなる


2人がいないと、私は只の心を知らない吸血鬼(人形)


自分の吸血鬼と言う運命(糸)にくくりつけられ、自分の運命(さだめ)にただ、従うだけの人形


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