思い出したい恋心 〜三十路女の甘え方〜


そこからの意識と記憶はなくて、気付いたら救急車の中だった。

救急隊が何やら私に呼びかけている。

何を言っているのかわからなく、痛みはまだ引くことがなかった。


「いた…ぃよぅー」


涙が耳に伝う感覚は分かった。



原因は食べ過ぎ?飲み過ぎ?食中毒?盲腸?なんでもいいからこの痛みをどうにかして欲しかった。



病院に到着して救急車のストレッチャーから病院のストレッチャーに交換される時も自力では動けず、されるがまま。



委ねるしか選択がない不甲斐なさ。


でも今はそれが恥ずかしいとかそういう気持ちはどうでもよかった。
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