思い出したい恋心 〜三十路女の甘え方〜


泣き疲れた子供のように、いつの間にか眠ってしまった。


どのくらい眠ったのかはわからないけど、穏やかな気持ちで目覚めた。激しく痛かった腹痛は消えている。


視界の左側に点滴の袋が見えたことで「まだ生きている」と思った。



左手には違和感があった。


「え…」


私の左手をきゅっと握る手が見える。


「ゆう…すけさん…?」

「…あっ…香澄ちゃん、起きた?」


窓際で椅子に座り、私のそばにいてくれたのは雄介さんだった。
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