思い出したい恋心 〜三十路女の甘え方〜


朝になり、簡単な診察を受けて手続きを済ませ病院を出た。


「俺の部屋行こうか」


タクシー乗り場に向かう前に雄介さんが突飛な事を言った。


「えええっ!なんで?」


「しばらくは安静って先生も言ってたろ?どうせ実家にも帰らないんだし、何より一人にさせたくないね」


「だっ、大丈夫だって!」


雄介さんの思わぬ言葉にきゅんと胸が鳴ったのは師走の冷たい空気のせいじゃないと思った。


「嫌だね。そんな弱々しい体でひとり帰すわけにはいかない」


「えー…」


強引にも思えたけど、ちょっと弱ってた体で買い物や家事をする力はまだなくて、一日だけ、その言葉に甘えようと思った。
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