あなたは笑顔で…



「はぁ……はぁ……」



こ、こんなに走ったの……初めてかもしれないわ……


結構辛いものね……


私は息を整えながら近くの原っぱに腰を下ろした。


朝とは違い、空には黒い雲が広がっていた。



「降りそうね……」



今はお昼頃かしら……


ならばそろそろ光のところに行く時間だわ…



「はぁ………」



ため息が零れる。


最近ため息つくこと多い気がするわ。


そういえば、「ため息つくと幸せが逃げる」ってよく言うわね。


だったら、私の幸せなんてもう空っぽかもしれないわね。



………光に会って、私はどんな反応するのかしら……




……無理。想像出来ないわ。



考えてもムダね。


きっと馬鹿らしくなるわ。止めましょ。



「あ……」



ぽつぽつと雨が降ってくる。


雨に打たれるのは嫌いではないけれど、これから光のところに行くのだもの……


濡れたら困るわね。


私は黒い傘を出してそれをさす。



「激しくなる前に早く行かないと……」



そして私は光のいる病院に向かった。








―――――――――――――――――
―――




「失礼します……」



あのあと更に雨が激しくなり、おかげで湿気がすごい。


いつもならすぐに返事が返ってくるのに、今日は静か。


いないのかしら…?


とりあえず部屋に入ってみると光はベットに寝ていて、医師と看護婦さんがいた。



「あら、華さん……」



ペコリと会釈をする。



「ごめんなさいね……今、光くんちょっと薬で眠っているの。起きるのはちょっと先だと思うわ」


「そう…ですか」



だから返事がなかったのね…無視されたわけないじゃなかったんだ……


そのことにほっとしている自分がいることに、少し驚く。



看護婦さんは、ゆっくりしていってね、と言って医師と出て行った。


私は部屋にある椅子をベットの近くに置き、光をじっと見る。




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