You are my light



思わず呆ける私になんて目もくれず。



「俺も満月を膝に乗せて抱っこしてぇよっ!!」



うおぉ、と悔しそうにかな兄はテーブルに手を叩きつけた。


……うん、期待した私が馬鹿だったね。


そうだよね、かな兄だもん。期待なんてしちゃダメだったわ。



「奏、早い者勝ちって知ってる?残念だったね。今回も僕の勝ちだよ」



楽しそうにクスクスと笑って音兄は私の頭を撫でる。


これ、音兄はかな兄で遊んでるんじゃ……



「知ってるわそんなことぐらい!!でもこの状況で、この雰囲気で満月を膝に乗せてなでなでとか……空気読めよ!!」



あ、かな兄がまともなことを言っている。


もはや感動ものだねこれ。


録音しておけばよかった、なんて現実逃避をする私。



「ふっ……こういうのを負け犬の遠吠えって言うんだね。ねぇ、満月」


「…………」



私にふらないで欲しい。



「満月、来い!音のところにいたら傷に障るぞ?」


「いや、かな兄のところにいた方が危ないでしょ」



なんせこの人には前科がある。


そう正直に言うとかなりの大ダメージを受けたのか、かな兄は項垂れてしまった。


かな兄、相変わらず面倒くさい。



「じゃ、奏は無視してそろそろ話をしようか」



この状況じゃなかったらかっこいいのに、私を膝って。しかもなでなでって。


もう諦めてるけど。





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