君のところへあと少し。

30

誰かが呼んでる…行かなきゃ。


思う様に身体が動かない。

何故?
ハッと気付くと、身体に蔦がからまっている。


ズルズルと沼の様な所に自分が埋れていく。

助けて。

助けて、ナリ。

ひとりは嫌なの。一緒がいいの。

ナリじゃなきゃ嫌。





ハッと目が覚めた。



急に身体を起こしたからか、眩暈がする。

見慣れない部屋。


ここ、どこ?

「あ、気付いた、ハルちゃん。」

「ヒヨちゃん…」

パタパタと足音をさせて日和が何処かへいってしまう。


次の瞬間、物凄い勢いでナリが入ってきた。


「ハル‼」





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